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重度障害で寝たきり…物言わぬ少女の「得意技」 3年間回したカメラ

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山下剛
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 西村帆花(ほのか)さん(14)は重い障害があり、寝たきりで言葉を発することもない。超がつくほどの重症児だが、ちょっと変わった「得意技」がある。

生後2週間で宣告

 帆花さんは出産時にへその緒の動脈が切れ、仮死状態で生まれた。

 生後約2週間で、医師からは「脳波は平坦(へいたん)、萎縮(いしゅく)も始まっている。目は見えない、耳は聞こえない。今後目を覚ますことも、動き出すこともない」と宣告された。「脳死に近い状態」だという。

 母親の理佐さん(45)は打ちのめされた。

 それでも、新生児集中治療室(NICU)に入院しているわが子のもとに通ううちに、「生きたい」という強い意思を感じるようになった。

 「この子を連れて帰りたい」。在宅生活が始まったのは生後9カ月のときだ。

 帆花さんのように、人工呼吸器胃ろうを使うといった医療的なケアを日常的に必要する子どもを「医療的ケア児」と呼ぶ。厚生労働省の推計では、19歳以下の医療的ケア児は2020年現在で全国に約2万人いる。この10年間で2倍に増えた。

 そんな医療的ケア児の中でも、帆花さんが必要とするケアはとりわけ多い。

 人工呼吸器の回路内にたまった水を捨て、気管内のたんを吸引し、膀胱(ぼうこう)を押して排尿させる。床ずれしないように身体の向きを変え、口の中も綿棒できれいにする。こうしたケアが30~40分おきに必要になる。

 ヘルパーが夜間に来てくれるのは週3日。それ以外の日は両親が交代で一晩中、ケアを担っている。両親の睡眠時間は3~4時間だ。

 それでも、帆花さんは徐々に「意思表示」をするようになってきた。

 帆花さんの手の指には、サチ…

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