「老いの幸福」考える 松尾スズキを追って、宮藤官九郎×三宅弘城

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編集委員・藤谷浩二
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 認知症気味の老母とニートの中年息子を通して、シリアスな「8050問題」をおかしさや切なさたっぷりに描いた松尾スズキの二人芝居が再演される。初演で松尾が演じた息子を宮藤官九郎と三宅弘城、安藤玉恵が演じた母を安藤とともさかりえが演じる「命、ギガ長スW(ダブル)」。宮藤・安藤のギガ組と三宅・ともさかの長ス組に分かれ、東京・下北沢の小劇場「ザ・スズナリ」で1カ月ロングランし、地方ツアーにも出る。意外にもお互いの稽古の様子を知らないという宮藤と三宅が、開幕を前に語り合った。

 《「命、ギガ長ス」は、少人数・小空間で演劇を始めたころの喜びを再確認したいと2019年に松尾がつくった「東京成人演劇部」の旗揚げ公演だ。作・演出の松尾がアルコール依存症でニートの息子、パチンコ好きで認知症気味の母を安藤がそれぞれ演じ、さらに親子のドキュメンタリーを撮影しようとする映像作家志望の女子大学生を安藤、彼女のゼミの指導教授を松尾が二役で演じた。戯曲は読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞した。今回は東京成人演劇部の第2弾公演として上演される》

「8050問題」をエンタメに

 ――松尾さんと安藤さんの初演をみたときの印象は?

 三宅 うちも父が高齢なので、身につまされながらも、エンターテインメントとして楽しみました。

 宮藤 僕はどちらかというと、松尾さんが楽しそうに二人芝居を小さなスズナリでやっているのがすごく印象に残っています。安藤さんもすごく伸び伸び演じていて、「いいなあ」と思いました。

記事の後半では、お互いの様子が気になりながらも別々に進む稽古の様子やコロナ禍での芝居づくりの苦労について語ります。

「命、ギガ長スW」は4日~4月3日、東京・下北沢のザ・スズナリ。16日にライブ配信あり。4月7~11日、大阪・近鉄アート館。15~17日、北九州芸術劇場。23~24日、長野・まつもと市民劇場。詳細は公演ホームページ(https://otonakeikaku.net/stage/2007/別ウインドウで開きます

 ――今回の再演でダブルキャストが決まったときの気持ちはどうでした。

 三宅 前回、松尾さんの作品…

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