ウクライナに侵攻中のロシア軍は2日、首都キエフなど複数の都市への攻撃を強めている。両国が2回目の停戦協議を開く見通しだが、一部の都市を完全に包囲するなど、ロシア軍に圧力を弱める気配はない。ウクライナの緊急事態当局によると、民間人の死者は2千人を超えた。内務省は人道をめぐる状況について「危機的」だとしている。
ロシア軍は1日、キエフ中心部のテレビ塔を攻撃した。キエフのクリチコ市長は、攻撃でテレビ塔の制御室と、塔に電力を供給する変電所が損傷したと明らかにした。緊急事態当局などによると、この攻撃で5人が死亡し、テレビ放送に一時支障が出たという。
ロシア国防省は攻撃に先立ち、「軍事施設」を攻撃するとして、近くの住民に退避するよう警告していた。ロシアが首都への攻撃を予告するのは初めてだ。同省は2日、「ロシアへの情報攻撃を防ぐため、ウクライナ保安局などの施設を攻撃してテレビ放送設備を無効にした」と主張した。
また、南部の人口約30万人の都市ヘルソンの地元当局は2日、街がロシア軍によって完全に包囲されたことを明らかにした。地元当局のSNSは「多くの爆発があり、占領者が店を略奪した」と述べた。
北東部にある第2の都市ハリコフ一帯でも犠牲が拡大。ロイター通信によると、攻撃により少なくとも21人が死亡し、112人が負傷した。地元当局などによると、市議会や警察の庁舎も攻撃を受けた。
ウクライナ軍参謀本部による…