不妊治療「何度でも」自己負担なし 市の「思い切った支援」の理由は
藤田大道
茨城県常陸大宮市は4月から、保険の対象かどうかにかかわらず、あらゆる不妊治療が何度でも無料で受けられるようにする方針を決めた。県内の他市町村と比べても手厚い支援で、子どもを産み育てたいカップルを呼び込む狙いがある。
不妊治療はこれまで、大半が公的医療保険の対象外で、代表的な治療の一つの体外受精には1回平均50万円がかかると言われている。政府は保険の枠組みを見直し、4月以降は体外受精などの治療が保険対象となる。
市は昨年春から、年齢に応じて3回か6回を上限に、自己負担なしで治療を受けられる制度を始めている。治療1回につき、国と県の補助金計30万円を超える費用を補助している。
補助額の上限は元々ないが、新年度からは、治療回数の上限もなくす。保険が適用される治療の場合には3割の自己負担分を補助する。保険適用外の治療も市が全額を補助し、自己負担なしで何度でも利用できる。所得制限も設けない。事業費として、1159万円を計上した。
手厚い支援を打ち出す背景に…