新型コロナウイルスの家庭内感染が相次ぐ中、感染者の同居家族らについては検査をせず、医師がコロナと診断する「みなし陽性」の運用が広がっている。ただ、検査キットが不足し、保健所や医療機関が逼迫(ひっぱく)している中では「みなし陽性」にもなれず、療養者としてのサポートが受けられないという実態もある。
「『みなし陽性』の運用がもっとスムーズになれば……」。家族4人が感染した東京都内の美容師の男性(54)は、療養生活をそう振り返る。
2月1日に次男(9)が発熱し、2日に小児科の抗原検査で陽性と判明した。家族6人で暮らすが、三男(7)と長女(19)も発熱するなど、男性は「すでに家庭内で感染が広がっている状態だった」という。男性も「念のために」と受けた民間のPCR検査で陽性と判明し、後に発熱した。
感染した同居家族がいて症状が出た場合、検査を省略して医師が陽性とみなす「みなし陽性」が適用される。男性は複数の医療機関に電話し、「みなし陽性」と診断してもらえないか相談したが、受け入れてもらえるところはなかった。
療養者にカウントされないまま… 始まった「家庭内隔離」
症状のない妻(51)と次女…

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