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埼玉県、ヤングケアラー支援強化 具体策探る「協議会」設置へ

川野由起 上田雅文
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 埼玉県新年度、家族の介護や世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」の負担を軽くするためのサービスを検討する「協議会」を立ち上げる。自治体や社会福祉協議会、民生委員などが一体となって、現行の枠組みでできる公的サービスのほかに、どのような支援ができるかを探る。

 2020年に全国で初めてケアラー支援条例を制定した県はこれまで、元ヤングケアラーらによる出前授業や、当事者が悩み事を共有できるオンラインサロンを開くなどし、ヤングケアラーの存在を広く知ってもらおうとする試みを続けてきた。

 県は市町村や学校現場で一定程度、認識されてきたと評価する一方、「ヤングケアラーを把握できなかったり、困っていても支援につながりづらい状況にあったりする」(地域包括ケア課)として、啓発活動を続けるとともに、より具体的な支援に乗り出すことを決めた。協議会では、ヤングケアラーが行う家事や育児の支援、学習支援の方策について検討する。

 また、ヤングケアラーの可能性がある子どもを見逃さずに支援につなげるため、子どもと接する機会が多い児童委員、子ども食堂の運営者らを対象とした研修を行う。

 同課担当者は「啓発を続けながら、(ヤングケアラーの)発見や支援につなげる人材の育成と支援態勢の整備を急ぐ。自治体間で支援のあり方に差が出ないよう、市町村に対する支援にも着手したい」と話す。(川野由起)

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 高齢や病気などでサポートが必要な家族や友人らを無償で世話する人たちを支えるための条例制定に向け、さいたま市が骨子案をまとめた。31日まで意見を募っている。

 骨子案は、市は支援を必要とするケアラーの早期発見に努め、支援のために必要な財政上の措置をとって、ケアラーが家族をサポートできなくなった場合の一時的な代替サポートなど負担軽減にあたる。悩みに応じる相談体制や、ケアラー同士が支え合う交流の場も提供していくこととした。18歳未満の「ヤングケアラー」を把握した学校などは関係機関への取り次ぎに努めることも盛り込んだ。

 ケアラー支援をめぐっては、県が2020年、社会全体で支えるため総合的な支援計画の策定を求める条例を制定。市は基礎自治体として、より具体的な施策を盛り込んで、今後の市政運営に反映させていこうと条例案を検討している。

 骨子案は市のホームページや、各区役所の情報公開コーナーで閲覧できる。意見は郵送やFAX(048・829・1961)、市ホームページの「ご意見入力フォーム」から提出できる。問い合わせは市福祉総務課(048・829・1254)。(上田雅文)