危うさはらむ司法取引 ゴーン事件、有罪と無罪を分けたのは客観証拠

有料会員記事主役なきゴーン法廷

金子和史、根津弥
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 カルロス・ゴーン日産元会長には2010~17年度分で開示すべき「未払い報酬」があったが、グレッグ・ケリー元役員は最後の17年度分しか認識していなかったので、他の7年度分は無罪――。東京地裁判決が無罪の根拠にしたのは、「司法取引」で得られた供述の危うさだった。制度に対する裁判所の慎重姿勢が改めて鮮明になった。

 「客観証拠や信用できる第三者の供述といった裏づけ証拠がない供述は、より慎重に検討すべきだ」

「巻き込み」や「迎合」 供述には疑いの目

 判決は冒頭で、司法取引した大沼敏明・元秘書室長らの供述の信用性判断について、こう言明した。東京地検特捜部の捜査に協力する見返りに不起訴になっており、無関係の第三者を陥れる「巻き込み」や取調官への「迎合」といった「危険性をはらんでいる」と、最初から疑ってかかった。

捜査に協力する見返りに罪を問われない「司法取引」が本格的な争点となった今回の裁判。有罪と無罪とはどのように線引きされたのでしょうか。専門家は「制度運用のハードルが高くなる」と分析しました。

 裁判の大きな争点は①未払い…

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主役なきゴーン法廷

主役なきゴーン法廷

日産カルロス・ゴーン元会長をめぐる事件の裁判が始まった。法廷で明らかになるのは、カリスマ経営者の「犯罪」か、追放を企図した「陰謀」か――。[記事一覧へ]