トランプ氏にジョンソン氏…道化師政治家の時代、世界はどこに向かう

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ヨーロッパ総局長・国末憲人
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 トランプ前米大統領やジョンソン英首相ら、政策を語るよりも騒ぎを繰り返す政治指導者が、なぜか人気を集める。沈滞した既存の政治を転覆させる道化師のような政治家を人々が求めているからだと、フランスの作家クリスチャン・サルモンさんはみる。その道化師を、情報技術を駆使するエンジニアが操る時代なのだという。

Christian Salmon

1951年生まれ。仏社会科学高等研究院に研究員(文学理論)として長年勤務。2007年の政治評論「ストーリーテリング」(未邦訳)は十数言語に翻訳されるベストセラーになった。

 ――扇動や挑発を繰り返す政治家が、今の世にはばかります。なぜこうなったのでしょうか。

 「多くの政治家が新型コロナ対策で右往左往しているだけに、トランプ氏やジョンソン氏、ブラジルのボルソナーロ大統領といった傍若無人な首脳の言動は、確かに目立ちます。トランプ氏はツイートをばらまき、ジョンソン氏はジョークを連発し、ボルソナーロ氏は勝手な予言を繰り返す。大げさで、人々をからかい、ののしる姿は、まるで道化師(ピエロ)が政権を握ったかのようです」

 「ナチス・ドイツイデオロギーで人々を扇動しましたが、トランプ氏らの扇動には理念の一貫性などありません。流動的な世界を巧みに渡り歩き、デジタル空間に散らばって浮遊する人々の意識を、自ら騒ぐことによって結集する。『偉大な米国』『英国の主権』といった幻想を利用して、集団をまとめようと狙うのです」

 「世の中のインテリやリベラルは、あんな道化師のどこがいいのかと批判しますが、全然わかっていない。道化師であることこそが、今や政治家の成功の秘訣(ひけつ)となったのですから」

「トランプ氏やジョンソン氏は道化師に徹するのが成功の鍵だとわかっている」と言うクリスチャン・サルモンさん。背後には戦略を立てるエンジニアが控えていると指摘します。なぜエンジニアの支えが必要なのでしょうか。道化師の時代は長続きするのでしょうか。記事後半に続きます。

 ――まじめに政策を議論する政治は、お呼びでないと。

 「例えば、フランスのマクロ…

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