中2から書き続け、かなえた小説家の道 直木賞受賞・米澤穂信さん
聞き手・佐藤瑞季
作家・米澤穂信さん
デビューから20年以上、ミステリーを中心に執筆しています。歴史小説「黒牢城」が直木賞を受賞しました。
よねざわ・ほのぶ
1978年、岐阜県生まれ。2001年、青春ミステリー「氷菓」でデビュー。10年の「折れた竜骨」で日本推理作家協会賞、14年の「満願」で山本周五郎賞。「黒牢城」は山田風太郎賞も受けた。
昔から、物語をつくることが好きでした。1時間以上かかる小学校からの帰り道、いつも物語を考えていました。小説を書き始めたのは、中2でした。手の空いた時に、復員兵の話をルーズリーフに書きためて高3の秋、原稿用紙420枚分を書き上げました。当時からお話をつくる仕事をしたい、するだろうと思っていました。
進学先を考えていた頃は、ユーゴスラビア紛争のさなか。ニュースを見ても何が起きているか分からず、理解したいと文学部に進みました。今思えば、政治学や文化人類学を専攻すべきですが高校生の私には考えが及ばなかった。知りたいことの学問分野は何か、学べるところがあってもいいかもしれません。
大学では民族性、原始仏教…
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