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20歳でがん、再発と2度の移植と 「一日一日を、大切に生きる」

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山田佳奈
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 大学生のときに急性骨髄性白血病を発症し、再発や移植を経験してきた福岡県小郡市に住む佐藤郁乃さん(31)はぴかぴかした笑顔で、「今を楽しんで、一日一日、大切に生きています」と話す。佐藤さんと同じ15~39歳の「AYA世代」と呼ばれるがん患者への支援や理解を呼びかけるイベントが5日に始まった。「ひとりじゃないよ」。同じがん患者の人たちに、そう伝えたいという。

 20歳だった大学2年生の終わりごろ。少し前から、貧血で階段を上っていく友達のスピードに追いつけなかったり、通学中に駅で倒れたりしていた。歯磨きすると出血して止まらず、ひざにできたアザもなかなか治らなかった。38度の熱が出て近所のクリニックに行き、「風邪ですが、出血がひどくて悩んでいます」と伝えた。

 血液検査をすると白血球が激減、赤血球血小板もほとんどなかった。すぐに大学病院を紹介され、受診した。医師は「あなたは白血病です。今から入院して明日から抗がん剤治療。半年くらいかかります」と言った。急性骨髄性白血病だった。

 2週間後からオーストラリアに短期留学する予定だった。「いやです。入院しません」と伝えた。白血病ががんの一種だということも知らなかったころ。医師は「これは命の問題だから」と言った。大学の留学センターに泣きながら「白血病で行けなくなった」と電話した。

 1年休学して5カ月間、入院。復学し、通院しながら大学を卒業した。福岡県内の企業に就職したが再発し、2回の骨髄移植を経験した。4年半前に退職し、治療に専念。この2年は体調も安定し、昨年12月から行政の就労支援を受けて再就職を目指している。

 AYA世代ならではの悩みにも直面した。

 例えば就職活動のとき。がんの経験を伝えたら就職に不利になるのではないかと不安だった。「AYA世代の『あるある』です」。今後の妊娠・出産もこの世代にとって大きな問題だ。佐藤さんは再発した25歳のとき、卵子を凍結し保存しておくことができると知り、実行した。

 AYA世代に伝えたいのは「ひとりじゃないよ」ということだ。

 佐藤さんは家族を心配させた…

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