作家が〆切から逃げる理由 150人の言い訳を分類してみると……

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聞き手・刀祢館正明
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 作家はなぜ〆切から逃げようとするのか――。文豪から野坂昭如手塚治虫、そして現在活躍する作家まで、150人の書き手の言い訳やエピソードを集めた「〆切(しめきり)本」を、現役編集者・小柳学さんがまとめました。そこからは、創作と〆切の、切っても切れない関係が見えてきます。

リレーおぴにおん 「逃げる」

 原稿の締め切りから逃げようとする作家や漫画家など、のべ150人の言い訳や苦悩を集めた「〆切(しめきり)本」「〆切本2」を数年前に出しました。これまでに4万部以上売れています。

 たとえば作家の野坂昭如さん。どうしても書けなくなって逃げ、行方がわからなくなります。それを編集者たちが捜し、地方都市のホテルにいるとわかって寝込みを襲う。野坂さんは土下座して謝り、原稿用紙3枚に書けなかった理由を記し、出版社はこれを手書きのまま載せました。

 あるいは漫画家の手塚治虫さん。原稿が遅く「手塚おそ虫」と呼ばれたそうで、旅館に缶詰めになるのですが、同じく締め切りが迫る他社の編集者が捜しに来て「こういう人相の男が泊まっていないか」と番頭に聞いたとか。

 どちらも、まるで逃げる容疑者と追う刑事のようです。2冊を読み返し、作家が締め切りから逃げようとする言い訳を七つに分類してみました。

 まずは「忙しい」。いろいろ…

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年3月6日10時4分 投稿

    【視点】手塚治虫さんを探した編集者が宿の番頭に「こういう人相の男が泊まっていないか」と聞いたという、まるで刑事と容疑者のようなエピソードに笑ってしまいました。私がコメントするのも恐縮ですが、書けないときってなにをどうひっくり返しても書けない。で、ぐ