学校の人気者、でもボロボロ一輪車 「直せるんちゃう」家族の大作戦

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岩本修弥
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 【兵庫】校庭の隅っこに、30台ほどの一輪車が並ぶ。昼休みになると、児童たちの間でいつも取り合いが起きるほどの人気者だ。

 神戸市東灘区の市立本庄小学校。間宮華歩さん(15)も、卒業までこの「争奪戦」に加わっていた一人だ。

 一輪車は自宅になく、学校だけで遊べる特別な存在。友達と手をつないで、輪を描くようにくるくると回るのが好きだった。

 昼休みに乗れなかった日は、放課後に乗ろうと、教室に荷物を置いたまま運動場に走り出すなど、日々作戦を練った。

 中学1年の終わりごろ。家族で夕食を食べている時に、兄・歩希(あゆき)さん(19)と思い出の一輪車の話になった。

 華歩さんには、卒業後も胸にひっかかっていたことがあった。

 せっかく30台あっても、使い古されてサドルが曲がっていたり、パンクしていたりするものがある。雨風にさらされてさびも付き、使えるのは数台だけになっていたことだ。

 兄の歩希さんは市立科学技術高校に通い、壊れた車いすを修理して海外に届ける部活「空飛ぶ車いす研究会」に所属していた。

 「お兄ちゃん。車いすを直せるなら、一輪車も直せるんちゃうん」

 一輪車を通じて多くの友達ができた華歩さん。後輩たちにも同じ思いをして欲しかった。

 歩希さんは「ええで」と一言。手芸店で働く母・智子さん(48)も加わって、家族で「一輪車修理大作戦」が始まった。

 一輪車を直したい、と小学校に連絡し、了承を得て12台を預かった。

 車輪のネジなど部品の破損があり、市内の廃品回収業者や市環境局に協力してもらった。足りない部品は、2台の一輪車を分解してかき集めた。

 ボディーや車輪を補修し、車いす研究会の部員も総出で手伝った。

 華歩さんは母と一緒にサドルのカバーをつくった。新聞紙で型抜きし、家や母の仕事場で余った生地を使って縫う。生地はピンクや黄色など色とりどりの模様が入ったものを使い、一台一台、心を込めた。

 コロナ下や受験勉強で一時中断しつつ、作戦開始から1年経った昨年2月、10台の修理を終えて小学校に返却した。

 新品のようにピカピカの一輪車に児童は大喜び。「かわいいデザインでうれしい」「毎日使っています」――。児童からの感謝の手紙が、学校を通じて届けられた。

ここまで出番なかった父は…

 市教育委員会は今月3日、華…

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