庄内弁で英会話を学ぼう 山形で人気のラジオコーナー「懐かしい」 

浜田奈美
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 山形県酒田市のコミュニティーFM「酒田エフエム」で、ユニークな英会話コーナーが続いている。庄内弁を駆使して英語の言葉の意味を説明する「ワンポイント英会話」。英語が苦手な高齢者向けに企画された番組だが、昔はどこでも聞かれた庄内弁にも「懐かしい」と親しみの声が寄せられている。

 「いったげ遊んで、いったげしごどしたら、ゆっくりねで、まだ明日、会おの! せばの! See you.」

 これはワンポイント英会話で、「See you(では、またね)」を説明した回だ。庄内弁の部分を標準語にすると「たくさん遊んで、たくさん仕事をして、ゆっくり寝て、また明日会おうね! じゃあね!」となる。

 コーナーは2017年4月に始まり、19年夏にはポッドキャスト配信も始まった。月曜から金曜まで1日に3回、約2分間のコーナーが流れ、土曜には30分の総集編がある。いずれも軽妙な庄内弁と英会話の組み合わせが持ち味だ。酒田エフエムの理事・菅原真一さん(68)は「ラジオから昔ながらの庄内弁が聞こえることを懐かしく思う人も多いようです」。

 語り手は酒田エフエムで3本のレギュラー番組を持つ加藤夕佳さん(36)。酒田市で生まれ育ち、県立高校を卒業後、米国の大学に留学。17年から市内で英会話教室を運営している。

 コーナー開始のきっかけは酒田港へのクルーズ船誘致だった。外国人観光客の市内観光が期待されたが、地元の商店主は高齢者が多く、英語が苦手。そこで酒田商工会議所が「お支払いは日本円で」「トイレが使えます」など、必要な7種類の英文をあらかじめ記載して、指でさすだけの「指さしシート」を考案。その上で酒田エフエムに「発音練習できる親しみやすい番組を」と依頼した。

 偶然、加藤さんも庄内弁と英語を組み合わせた番組の企画を、酒田エフエムに提案していた。「郷土の言葉が使われなくなっていて残念。英会話と組み合わせれば両方に関心を持ってもらえると思った」

 実際、総集編にゲスト出演中の仏具店主の佐藤幸美さん(60)は「英語に対する苦手意識が前よりなくなった」。土産物を探しに訪れる外国人観光客に、使える英単語とシートを使って何度も対応できたという。

 加藤さんは「言語学習は楽しむのが一番。笑いながら記憶して欲しい」。イラスト入りのテキスト作成も構想中だ。(浜田奈美)