パラリンピックで突き上げた拳 ウクライナ会長が思いを語る

有料記事

北京=榊原一生 竹花徹朗
[PR]

 4日に開幕した北京冬季パラリンピック国家体育場で開催された4日の開会式に、ロシア軍のウクライナ侵攻で出場が危ぶまれたウクライナ選手団が登場した。選手団の中で目を引いたのが、車いすに乗って拳を突き上げていた男性の姿だ。ウクライナ・パラリンピック委員会のワレリー・スシュケビッチ会長。朝日新聞の取材にそのポーズに込めた意味を語った。

 開会式翌日の5日、スシュケビッチ会長はバイアスロン会場にいた。出場する全20選手を応援するためだ。前夜のポーズについて口を開いた。

 「『私たちは戦う』という意味です。私のチームや私の国、そして私たちも戦い続けています。世界の平和のために」

 開会式で、力強く拳を突き上げたジェスチャーはひときわ注目を集め、その映像は世界中に放映された。

 国際オリンピック委員会は五輪憲章第50条で競技会場などでの政治的な宣伝活動を禁じている。パラリンピックでも国際パラリンピック委員会の倫理規定に同様に抵触する可能性があった。スシュケビッチ会長は分かった上で、突き上げたという。

 「世界に平和を伝えていく役割があるからです」

 戦火のまっただ中にある母国…

この記事は有料記事です。残り668文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら