キャンプを目的としないキャンプ場って? 山口県阿武町

寺島笑花
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 山口県阿武町の海に面した道の駅の横に、地域の暮らしや文化を楽しむことができるキャンプ場が12日にオープンする。コンセプトは「キャンプを目的としないキャンプ場」だ。

 「道の駅阿武町」は、国道191号沿いの港に面した道の駅で、毎年40万人が訪れる人気スポットだ。物産直売所に加えて、温泉やプール、レストランもある。そのすぐ横に今回新しく加わったのがキャンプ場で、町にちなんで「ABU(あぶ)キャンプフィールド」と名づけられた。

 町の人口は約3100人で、約半数が65歳以上の高齢者。主な基幹産業は農業や漁業などの第1次産業だが、後継者不足が深刻だ。「選ばれる町」になるため、立ち上がったのがキャンプ事業構想だった。

 めざすのは「まちの縁側」。キャンプを楽しみながら、町での滞在時間を延ばし、人や暮らしを知ってもらう。目玉は地域住民らが講師となる「体験プログラム」。林業の現場でチェーンソーを使ったり、山口県のみで飼育される希少な「無角和牛」のえさやりをしたり、シーズンごとにプログラムをつくる予定だ。道の駅で地産の食材やまきを購入してもらい、地域内経済を循環させるねらいもあるという。

 キャンプができるのは62区画で、全体の敷地面積は約2万3千平方メートル。アウトドア用品大手の「スノーピーク」監修の下、キャンパー以外も利用できるカフェ棟や管理棟、冷暖房完備の流し台があるサニタリー棟などを新設した。

総事業費は約7億2千万円。

 6日にはレセプションがあり、関係者約60人が出席した。花田憲彦町長は「キャンプ場をハブに、持続可能な地域内循環社会を構築したい。限りない可能性を秘めており、ワクワクしている」。スノーピーク地方創生コンサルティングの後藤健市代表取締役会長は「住民にとって当たり前の暮らしも、外から見たらハイクオリティーで価値がある。改めて、先進的なモデルになる」と話した。

 詳細はHP(https://abucampfield.jp/別ウインドウで開きます)。(寺島笑花)