第8回産休中にこっそり出勤、とめない校長 スマホに残した疑問ぶつけたい

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高浜行人
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 「いつから産休に入るの?」

 関東地方の公立中学校の30代女性教諭は、教務主任からそう聞かれて驚いた。

 産休はもう2日後に迫っていたからだ。

 校長に伝えていた予定が、立場のある教員にすら伝わっていない。

 「今週からですけど」

 答えると、主任も驚いた。

 数年前の年度末のことだった。2人目の子の出産予定日は2カ月後に迫っていた。

 校長に妊娠を伝えたのは前年の夏。だが、担当する授業を受け持つ代わりの先生が見つからないまま、時間が経っていった。

 産休などの代替教員候補者のリストは、教育委員会が毎春に更新して順番に声をかけていく仕組み。

 年度末になると候補が尽きて新たに探さなければならず、見つかりにくい傾向がある。

 校長に聞いても、「いま探している」と繰り返すばかり。

 次が決まるまでは、他の教員に発表しない方針のようだった。

 「俺が授業するかもしれない」と、冗談とも本気ともつかないようなことも言われた。

 担当する授業を誰に引き継げば良いかもわからないまま、日に日におなかが大きくなっていく。

 引き継ぎ先がいないことで、女性はやがて、最終手段をとらざるを得なくなる。

 それは、産休中に出勤し、こっそり仕事をすることだった。

どうしても引き継げなかった、ある仕事がありました。黙認した管理職。女性が抱いた疑問は、より良い職場への処方せんです。

「お願いします」が言えない

 女性はこのころ、1日に5コ…

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    今村久美
    (認定NPO法人カタリバ 代表理事)
    2022年3月16日3時29分 投稿
    【提案】

    昨年、この4月から教員になる学生さんの相談を受けた。「私は小学生の時の卒業文集にも学校の先生になりたいという夢をかいた。ずっとその夢は変わらず、教員採用試験も受かり、夢がかなったし親も喜んでくれた。しかし、教員という仕事は、心をすり減らしな

連載いま先生は(全14回)

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