第4回夢中になったロボット、原発で知った現実 廃炉に挑むと決めた自分

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飯島啓史
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 家庭用ゲーム機のコントローラーでスティック状のレバーを前に倒すと、長方形の小型ロボットが音を立てて前に進む。15センチの段差を乗り越えると、周りから「おお」と声があがった。

 今年1月、福島工業高等専門学校(福島県いわき市)の多目的演習室。固唾をのんで見守っていた武田匠さん(20)は「無事に動いてくれた。よかった」と胸をなで下ろした。

 武田さんら学生3人が開発した「廃炉ロボ」だ。東京電力福島第一原発の廃炉作業では、溶け落ちた燃料をどう取り出すかが課題だが、放射線量が高すぎて人は近づけない。代わりにロボットを向かわせ、カメラで撮影して調べる。

 その原発が津波に見舞われて水素爆発を起こした11年前、武田さんは県の内陸に住む小学3年生だった。

 公園の砂場にブルーシートがかけられ、配られた線量計を首からさげて登校した。原発近くの地域から避難した子が転校してきた。中学の理科の教師だった父は難しそうな本を読み込み、家の外壁の放射線量を測って「大丈夫だ」とつぶやいた。

時間がたつと震災を意識することは少なくなったという武田さん。廃炉も「遠い世界」でしたが、東電福島第一原発を視察し、ある自分に気づきました。

 「大変なことが起きた」と思…

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