ワクチン副反応後に解熱鎮痛剤飲んでも問題なし 九州大など確認
新型コロナウイルスワクチンを2回接種した後に副反応が出た際、解熱鎮痛剤を飲んでも抗体価(血液中の抗体の量)は減らないことを確認したと、九州大病院と福岡市民病院の共同研究チームが発表した。
福岡市民病院の医療従事者や事務職員らに同意を得て、ファイザー社製ワクチンを2回接種した際の副反応の程度や薬の使用状況を尋ね、抗体価を測って統計的に解析した。
対象となった335人のうち45%が発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛、悪寒、腕の腫れなどの副反応に対して解熱鎮痛剤を使っていたが、使わない集団と比べて抗体価に大きな差はなく、どちらも十分な免疫を獲得できていた。解熱鎮痛剤の種類や服用のタイミングによる違いはみられなかった。
抗体価は、副反応が出た人の方が高くなる傾向があり、特に「発熱が38度以上」の集団の抗体価は「37度未満」の1・8倍だった。年齢や性別を問わず同じ傾向で、発熱が体内で抗体を増やす反応と関係している可能性があるという。ただ、37度未満の人でも抗体価は十分な水準だった。
副反応が出る前に解熱鎮痛剤を飲む「予防服用」は、今回の研究の対象外。解析を担った感染症専門医の鄭湧・九州大助教は「3回目接種後も解析中だが、同様の結果が出つつある。どんな副反応が出ても解熱鎮痛剤を飲んでいいので、3回目接種を受けてほしい。また、抗体価が高くなる傾向があるからといって、発熱を我慢しないでほしい」と話している。(安田朋起)
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