五輪の街でさまよう失業者 統計から見えない中国の現実

有料会員記事

北京=西山明宏
[PR]

 中国・北京で冬季五輪が閉幕した翌日の2月21日午前。開会式の会場となった北京市国家体育場から南東に30キロほどにある馬駒橋で、寒空のもと、100人近い人だかりができていた。多くが男性で、若者から中高年までいる。ここは地方出身で都市戸籍のない、いわゆる「農民工」が仕事を探す場所だ。

 周辺には日雇いや臨時工の職を仲介する業者の店舗が集まる。店舗の入り口には「1日350元(約6400円)」「残業代、社会保険あり」などとうたい文句が目につく。路上で仕事を紹介する人もいる。

 毎日早朝、工場労働者を探す仲介人が訪れて希望者を連れて行く。午前10時過ぎ、たむろしているのは今日の仕事にありつけなかった人たちだ。記者が現場を訪れると「仕事を紹介してくれるのか」と次々に声をかけられた。

 「ここは市内とは違う場所と…

この記事は有料会員記事です。残り1678文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    峯村健司
    (元・朝日新聞編集委員)
    2022年3月8日20時20分 投稿
    【視点】

    中国政府が最も重視している経済指標の一つが失業率です。失業者が増えれば治安の悪化や統治の揺らぎにつながるからです。国の発表は5%前後ですが、雇用の受け皿となっている地方から出稼ぎに来た「農民工」の実態が反映されていないという指摘を複数の当局