神の愛はひとり自分のためだけに 元看護師、異色の美術家の初個展

有料会員記事

田中ゑれ奈
[PR]

 看護師として約10年間、手術室や集中治療室で働いた後に芸術活動を始めた異色の美術家。人の生死に接し続けた日々の経験をベースに思索的な作品を手がける小嶋晶は昨年、大阪市「咲くやこの花賞」を受賞した。それを記念する初の個展「泥の中で泳ぐ魚」が、アートエリアB1(大阪市北区)で開かれている。

 過去にいじめを受けていた若い女性、高齢の母と暮らす障害のある女性、がん経験者、自死遺族。4人の人物へのインタビューを記録したモノクロ映像は、仏教が人生の根源的な苦しみとして説く「生老病死」を象徴する。

 今回、三つの映像を中心とする新作インスタレーションのテーマを「神の愛」とした。きっかけは、数年前に父が脳神経系の難病と判明したこと。進行を止める手立てはなく、神仏の他にすがるものがなかった。

 やりきれない感情を抱えて寺や神社、教会を巡っていたころ、護摩行に行き合わせた。「何十人もの山伏らが楽器を演奏したりお経を唱えたり。その全てが、自分ひとりのためにやってくれているように思えた」

 あらゆる個人に寄り添い、一…

この記事は有料会員記事です。残り635文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら