仮放免の外国人「生きていけない」 7割が無収入、16%は1日1食

阿久沢悦子
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 出入国管理法入管法)で施設収容を一時停止されている「仮放免者」について、支援団体が8日、生活実態調査を公表した。回答した141人のうち、9割が生活状況を「とても苦しい」か「苦しい」と答えた。1日の食事回数も「2回」が60%、「1回」が16%で、団体は「生きていけない状況だ」と指摘した。

 NPO法人「北関東医療相談会」(群馬県)が昨年10~12月、関東甲信越に住む450人に郵送で尋ねた。回答のうち、生活状況は「とても苦しい」が43%、「苦しい」が46%だった。

医療は全額自己負担 「受診できなかった経験」84%

 経済的問題で医療を受診できなかったことがある人は84%。仮放免者は国民健康保険に入っておらず、全額自己負担となる。本人の年収は「0円」が70%で、3人に2人は借金があった。85%が「コロナの影響で生活苦になった」と回答した。

 家賃の負担も「とても苦しい」「苦しい」が各41%。40%が家賃を滞納しており、平均滞納期間は7・3カ月だった。

 回答者のうち、就労可能な20~50代が87%を占めた。日本の滞在年数は、永住許可の要件である「10年以上」が66%。単身世帯が40%を占め、子どもがいる世帯は24%だった。

 同会の大沢優真さんは記者会見で、「コロナ下で支援者も困窮し、生活は厳しさを増している」と話した。今後、法務省に仮放免者の就労許可を、厚生労働省に国民健康保険の加入や生活保護の適用などを求めるという。

ロヒンギャ男性「私に人生をください」

 同席したミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャのミョーチョーチョーさん(37)は2006年に来日。今、3度目の難民申請中で、仮放免を受けている。「働きたいけど、仮放免者は就労が認められていない。私に『人生』をください」と訴えた。迫害を恐れ、18年にバングラデシュに逃れた父は先月、亡くなった。「私は収入がなく、治療費も葬式代も送ることができなかった」と涙ながらに話した。

 仮放免者は、収容か退去強制の命令が出ている外国人のうち、病気などの理由で身柄の拘束を解かれた人で、就労が禁止されている。法務省によると、20年末現在、全国に5781人いる。(阿久沢悦子)