刑務所の「作業」、実態はリハビリ 高齢化対策に「拘禁刑」新設
伊藤和也
「拘禁刑」の新設が8日閣議決定された。刑法制定以来初めて刑罰の種類を変更しようとする背景には、高齢受刑者の問題がある。
東京都府中市の府中刑務所。床全面にクッション性のある素材が張られた棟で、緑色の作業服を着た高齢男性が自転車型のトレーニングマシンをこいでいた。数メートル先の台に向かって黙々とお手玉を投げ続ける別の高齢男性もいる。府中刑務所が昨年5月から本格的に取り組む「機能向上作業」だ。
「作業」と名は付くものの、実態はリハビリといえる。加齢で衰えた受刑者の身体や認知機能の回復を目指す内容だからだ。法務省幹部は「拘禁刑の導入後は、こうした処遇に多くの時間を割けるようになる」と話す。
全刑法犯に占める65歳以上…