「サハリン2」継続か撤退か、割れる経済界 欧州は「脱ロシア」急ぐ

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友田雄大、小出大貴、長崎潤一郎 ロンドン=和気真也
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 日本企業が出資するロシア・サハリンの資源開発から欧米企業が撤退を表明し、日本の経済界にも波紋が広がっている。エネルギーの安定供給を優先するのか、痛みを伴ってでも欧米企業と足並みをそろえるのか、主張は割れている。

 英石油大手シェルが撤退を決めた「サハリン2」は日本へのLNG(液化天然ガス)の輸出拠点で、三井物産が12・5%、三菱商事が10%出資している。日本はLNGの約8%をロシアからの輸入に頼る。石油の約4%と比べて依存度は高い。三井物産幹部は今後の対応について「エネルギー安全保障をどう考えるか政府と協議する」と話す。

 サハリン2で生産するLNGの約6割は日本向けとされ、東京電力中部電力が出資する火力発電会社JERAのほか、東京ガス大阪ガスなどが調達する。広島ガスのように調達量の約5割を占めるところもある。撤退によって供給がストップし、代わりに価格の高い短期契約で市場から買うことになれば、電気代やガス代のさらなる値上がりにつながる。

 日本商工会議所三村明夫会頭は3日の会見で「都市ガスや電気を使うユーザーに影響することをきちっと考えて対応すべきだ」と強調。日本企業が権益を手放しても中国がその分を引き受ける可能性に触れ、現実的な対応を求めた。萩生田光一経済産業相も8日の参院経産委員会で「我々が権益を手放しても第三国がただちにそれをとって、ロシアが痛みを感じないのであれば(経済制裁の)意味がない」と述べた。

撤退論も

 欧州連合(EU)はロシアへの経済制裁として国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの金融機関の排除を決めたが、エネルギー取引で関係が深い銀行は対象から外し、ロシアからの天然ガスの輸入を続けている。ドイツのショルツ首相は7日の声明で、当面はエネルギー調達を続ける方針を示し、「現時点では欧州のエネルギー供給を他の方法では確保できない」と述べた。

 経団連の十倉雅和会長は7日の会見で「各国とも基本理念としては制裁を加えるが、エネルギー安全保障をみながら現実的にやっている」と語った。

 一方で、撤退論もくすぶる…

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