遺体なき殺人事件で被告に懲役21年の判決 千葉・印西の妻殺害

石垣明真
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 印西市の会社員小野理奈さん(当時32)が行方不明になった事件で、殺人や死体遺棄などの罪に問われた夫の無職小野陽(あきら)被告(49)の裁判員裁判の判決が8日、千葉地裁であった。中尾佳久裁判長は「計画性と強固な殺意があった」などと述べ、殺人罪は成立すると判断。懲役21年(求刑懲役25年)を言い渡した。

 判決によると、被告は2020年3月、成田市内の駐車場に止めた乗用車の中で、理奈さんの首を刃物のようなもので突き刺して殺害するなどした。

 理奈さんの遺体はみつかっておらず、遺体の詳しい状況が不明なため、殺人罪の成否が争点になっていた。被告は理奈さんが死亡した経緯について、乗用車の後部座席で、相手からカッターナイフを示してきたため、両手をつかんで引っ張り合う形になったと説明。「もみ合う中でカッターが刺さった事故死」だったと主張していた。

 中尾裁判長は、被告の主張する状況が「狭い車内で現実的に起こりうることか、大きな疑問が残る」と指摘。その上で、被告が、長男の監護権を巡る係争に負け、養育費などの支払い義務を負って生活が破綻(はたん)することを避けるために、「被害者の死を望んでもおかしくない」と述べた。

 また、事件後に救急通報をしなかったことなどから、「被害者の死を予め想定していた人間の行動として考えるのが相当」だと判断。被告が「殺意をもって刃物様のもので突き刺した可能性が相当高い」と結論づけた。(石垣明真)