広島の交通ICカード「パスピー」3年後に廃止 新システム不参加も

松田史朗
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 広島県内を中心とする交通機関で使えるICカード型乗車券、PASPY(パスピー)の運営協議会は2025年3月末でサービスを終えると発表した。機器の更新費がかさむと判断したためで、協議会事務局の広島電鉄が24年10月に新たな乗車券システムを導入する方針。一方、アストラムラインを運営する広島高速交通は広電の新システムへの不参加を表明した。

 パスピーは2008年にサービスを開始。広電や広島高速交通、いわくにバス(山口県岩国市)など県内と近郊の32社の公共交通機関で使える。発行枚数は累計190万枚。

 広電によると、運賃計算ができる車載器やサーバーの7、8年ごとの更新費用が約40億円以上かかる。広電の負担もその約半分に及ぶという。コロナ禍などで各社の経営状況も厳しいなか、協議会はパスピーの終了を決定した。

 広電はNECなどと組み、新たな乗車券システムの開発に乗り出した。広電の椋田昌夫社長は導入理由について、費用面以外に「将来は顔認証など様々な認証媒体にも対応できる」と説明した。

 新システムは、スマホやパソコンからの会員登録でIDをクレジットカードなどとひもづけし、スマートフォンに表示するQRコードか、新たなICカードを車載器にかざして運賃を支払う。車載器はIDを読み取るのみで無線通信でつながるクラウドサーバーが運賃計算する。現金での支払いもできる。パスピーではICOCA(イコカ)など他のカードも使えたが、新システムで使えるかは未定という。

 一方、パスピーの運営協議会の他の事業者が新システムにどこまで加わるかはまだ不透明だ。広島高速交通の営業担当者は「QRコードを使う決済はICカードよりも認証速度が落ち、疑問」として参加せず、イコカを24年度に導入する方針を明らかにした。(松田史朗)