第5回「お子さんはまだ?」「治療したら?」 止まない質問に席を立った私

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滝沢卓
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 個人事業主のITコンサルタントとして働く東京都内の女性(37)は2年ほど前、友人やその知人たちと訪れた飲食店で、食卓を囲んでいた。

 友人から誘われた集まりで、自分を含む5人はみんな女性。初めて会う人もいた。あいさつの後に少しお酒も入り、ひとしきり雑談して話題も尽きてきたころ、その中の一人が、女性に話を向けてきた。

 「お子さんは?」

 女性は夫と2人暮らし。「いないんです」と答えた。

 女性は当たりさわりなくこの話題が終わるだろうと思った。しかし、そうならなかった。

 「そろそろ女として終わってない?」

 比較的古い付き合いだった友人から、思いがけない言葉が飛び出した。

性や生殖の話題を口にしづらい日本。妊娠や出産、育児の決断や責任は女性に偏りがちで、女性自身も社会の規範にとらわれ、生き方を自由に描けずにいます。自分の体は自分のもの。悩み、選び、踏み出した人たちに取材しました。

 「デリカシーが無いな」と内…

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