伝統を打ち破った「奇想の絵師」たち 「芳」の系譜と浮世絵の革新

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西田理人
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 幕末から明治にかけて、浮世絵の表現に革新をもたらした絵師の一派がいた。「芳」の系譜――歌川国芳(1797~1861)とその弟子たちである。京都文化博物館京都市中京区)の「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」展は、型破りな国芳の個性がいかに花開き、次代に継承されたのかを約150点の作品と資料でたどる。

展覧会は4月10日まで。3月21日を除く月曜と同22日休館。一般1400円など。

 「奇想の絵師」とも呼ばれる国芳は、歌川国貞や広重らと並んで幕末を代表する浮世絵師の一人。旺盛な好奇心と柔軟な発想によって、武者絵や戯画などで新機軸を打ち出したことで知られる。はんてんを引っ掛けたとび職のような格好が普段のスタイル。自身は12歳で豊国に入門し、後に江戸っ子気質で親分肌の彼の下には70人余りの門人が集まったという。

 国芳の名を一躍世に広めたのが、歴史や物語のヒーローを描いた武者絵だ。展示冒頭を飾る「通俗水滸伝豪傑百八人之一人」シリーズの1枚は、暴れ坊主の魯知深(ろちしん)が木の幹に鉄棒を振り下ろす場面を描いた作品。砕け散る木の描写や魯知深の鬼気迫る表情が強烈で、画面全体を覆う圧倒的なダイナミズムは国芳の代名詞の一つとなった。

迫力満点の秘密はどこに

 迫力満点の描写を支えたのは…

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