第1回「数字は消しゴムで消した」記者が息をのんだスクープの舞台裏を公開

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 2021年の梅雨が明けきらぬころ。朝日新聞社会部の調査報道班の記者らが、ある不満の声に触れた。

 都道府県の現場には、統計のことで国に不満がある。最近も国と少しもめた。建設分野の、受注の関係だ――。

 「国」「統計」「建設」「受注」と検索してみると、ヒットしたのは「建設工事受注動態統計」。国の統計の中でも特に重要だとされる基幹統計の一つのようだったが、いまいちピンとこなかった。

 国交省のホームページ(HP)を見ると、たくさんの説明資料があった。それによると、この統計は年間総額は約100兆円。日本の1年の当初予算に匹敵するほど巨額だった。

 スクープのきっかけは何だったのか、いかにして記者は不正を暴いたのか――。朝日新聞が昨年12月に報じた国土交通省による統計不正のスクープは、結実するまでに半年の時間を要しました。あまり明かされることがない新聞記者の「調査報道」の裏側を、ぎりぎりまで公開します。

資料読んでひっかかった記述、本格的に取材スタート

 国内総生産(GDP)の計算…

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2022年3月28日20時39分 投稿

    【視点】公務員の世界も基本は新卒一括採用終身雇用であるが、国・地方を問わず離職が珍しくなくなっているし、多くの組織では転職の世話をすることもなくなってきている。 その結果、おかしいと思ったことを、組織のことを考えて飲み込むということをせずに、