松浦理英子さん5年ぶりの新刊、「心を使わない人」が気になって

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中村真理子
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 1作ごとにその性愛や欲望の表現で社会を揺さぶってきた作家、松浦理英子さん。5年ぶりの新刊となる『ヒカリ文集』(講談社)は、ひとりの女性に向けられる様々な愛をとらえた連作短編集だ。

 ヒカリはみんなに愛された。劇団の仲間だった男女6人が、今は姿を消したヒカリへの思いをつづる。6人の文章を集めたという設定でシナリオ、小説、手記と章ごとに表現方法を変えた。6編に描かれる愛はいずれも違う景色を見せる。

 身近で「心を使わない人」に会ったことが構想のきっかけ。巨大アイドルグループをテレビで見かけても「心を使わない人」が気になる。「腹黒」「あざとい」と言われながら慕われている。「複雑で興味深く、いろいろ書きようがあると思いました。肯定的に描ければとても魅力的になる、と」

 優しいのに心が通い合わない。ヒカリは最後まで姿を現さず、心の内は誰にもわからない。「自分で内面を語らない方が魅力的に見える人物像があると思う。たとえばサディスト。いろんな人に愛されるヒカリも、内面を書きすぎないほうが想像力をかき立てられます」

 「心を使わない人」は、実は…

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