震災で両親失った女性の死 載らなかった犠牲者たち 伝承活動は続く

有料記事

編集委員・東野真和
[PR]

現場へ! 「生きた証」その後⑤

 金色に光る数百基の位牌(いはい)の群れ。住んでいた地域ごとに並んでいる。ご近所で「お茶っこ」を楽しんでいるような気もする。

 岩手県大槌町、吉祥寺の納骨堂。東日本大震災で98人分増えた。位牌の間に、白い布に包まれた遺骨箱と遺影がある。震災犠牲者ではない。震災で両親を失った若い女性の骨だ。悲しみを抱えて薬剤師を目指して大学に進学したが、体調を崩し急死した。引き取り先が決まらず、置かれている。

 骨を預かる高橋英悟住職(49)は大槌町が出版した震災犠牲者回顧録「生きた証(あかし)」のプロジェクトの推進協議会長を務めた。彼女はそこには載らないが「この命も忘れてはならない」と、毎朝、遺影に向かって声をかける。

 町の伝承事業の先頭に立って…

この記事は有料記事です。残り991文字有料会員になると続きをお読みいただけます。