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第1回汚れた部屋、片づけられない私は「人間失格」 転機はゴキブリ事件

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鈴木彩子
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 誰にも見せられない、見られたくない。家は、恥部だった。

 ダイニングテーブルは半分以上が「物」で埋もれ、食事のできるスペースがほとんどない。

 部屋からあふれ出した本が廊下にも積み上がり、カニ歩きをしないと通れない。

 ソファには洗濯した服と、脱いだ服が地層のように積み重なり、においをかぎ分けて着る。

 「主婦なのに、母親なのに、片付けられない。自分は生きている資格がないと、死にたくてしかたがありませんでした」

 西原三葉さん(51)はそう振り返る。

 小さな頃から、劣等感のかたまりだった。

 両親は居酒屋を営んでおり、いつも夜中まで留守だった。朝になると、知らない大人が家で寝ていることもあった。

 母は育児や家事にまったく関心がなく、褒めてくれたことも助けてくれたこともなかった。4歳年上の姉は寂しさから15歳で家を出て、16歳でシングルマザーになった。

 いつも「社会のはみだしもの」のような気がして、母や姉のようにはなりたくなかった。

 後ろ指をさされないように、「きちんとしなきゃ」「女の子として間違いをおこしてはいけない」と自分に言い聞かせてきた。

 それでも、学校では忘れ物が多く、先生によく怒られた。

 高校生になってアルバイトを始めると、レジ打ちの数字が合わなかったり、注文を覚えられなかったり。逃げるように辞めることの繰り返しだった。

 「私ってダメだな……」

 心の中でいつも、自分を責めていた。

 就職してもうまくいかず、逃げるようにして結婚。でも夫は、妻が熱を出しても「いつも太陽のように笑顔のママ」を求める宇宙人のような人でした。

入社1年目にうつ病に

 短大を卒業して、食品メーカーに就職した。

 「いずれ、商品開発に携われ…

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