「雇用大統領になる」と豪語した船出 文在寅政権の5年が残したもの

有料会員記事韓国大統領選挙2022

ソウル=鈴木拓也 ソウル=神谷毅
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 9日に投開票された韓国大統領選は、候補者をめぐる疑惑や、保守と進歩(革新)という二大政治勢力による非難の応酬ばかりが目立ち、有権者が期待した政策論争は低調のまま終わった。5月に新政権が発足することになるが、文在寅(ムンジェイン)政権が積み残した暮らしや経済の課題への取り組みは待ったなしだ。

 選挙戦を通じて、進歩系与党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)前京畿道知事(57)を苦しめたのが、ソウル郊外の城南市長時代の疑惑だ。2014年に始まった市の都市開発公社による不動産開発事業をめぐる不正疑惑が、昨年の秋に発覚した。与野党の公認候補を決める予備選が終盤に差し掛かったころだった。

 当時の公社幹部が一部の出資企業側と共謀し、企業に巨額の利益を与えるスキームを作り、見返りに多額の賄賂を受け取ったとの構図で、元幹部ら関係者が次々に起訴された。

 李氏が疑惑への関与を否定する一方、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(61)は李氏を「腐敗勢力」と批判し、有権者の支持を得ようとした。だが、出資企業の関係者が事業を進めるため、与野党双方の政治家にロビー活動していた疑惑も残る。

 「一部の人間が不当な利益を得なければ、分譲価格はもっと安かったはず。政治家はうそばかりつく」。舞台となったマンションに住む40代の男性会社員は怒りが収まらない。

遠いマイホームの夢

 ただでさえ、韓国では文政権…

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