韓国で5年ぶり保守政権へ 「日韓関係改善を」在日社会の期待と不安
武田肇
韓国大統領選で保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)氏が当選し、5年ぶりに政権が交代することになった。日韓関係の再構築や核ミサイル開発を続ける北朝鮮とどう向き合うかなど、課題は山積みで、在日コリアンの人たちから期待と不安の声が聞かれた。
「日韓関係の改善に向けて冷静に対処してほしい」
自らも在外投票をした「コリアNGOセンター」(大阪市)の郭辰雄(カクチヌン)代表理事は語った。
多文化共生をめざすセンターは年間約200万人の観光客が訪れる大阪市生野区のコリアタウン(御幸通商店街)近くにあり、日韓関係の悪化とともに深刻化したヘイトスピーチ(憎悪表現)対策に取り組んできた。
郭さんは、尹氏が選挙戦で、悪化した日韓関係改善に取り組む姿勢を示していたことに期待を寄せる。ただ一方で選挙結果が大接戦だったことから、「対日関係では歴史問題で原則的な立場を貫くべきだ」とする韓国内の世論を尹氏は無視できず、「簡単ではない」とみる。
「韓流ブームで韓国に関心を持つ若者は増えている。外交関係の悪化が民間交流を萎縮させることがあってはならない。対話を重視し、首脳レベルで歴史問題などで合意をつくる環境を整えて」と郭さんは望む。
韓国が軍事政権だった197…