子どもや女性、むしばむのはSNSの見知らぬ「誰か」 重大事件にも

有料会員記事

田内康介 聞き手・田内康介
[PR]

 SNSを通じた出会いをきっかけに犯罪に巻き込まれる若年層がなお多いことが、警察庁のまとめで浮き彫りになった。

 「今夜、誰か泊めてくれませんか」。ツイッターで「家出少女」や「神待ち」と検索すると、こんな投稿があふれている。

 いま、未成年を含む若い女性たちに何が起きているのか。

コロナ禍、孤独感深める若い女性

 若年女性への支援を続けてきたNPO法人「BONDプロジェクト」代表の橘ジュンさんは「困難を抱える若年女性が孤独感を深め、SNSを利用して居場所を求めている」とみる。

 コロナ禍で女性たちが抱える問題は増幅している、と橘さんは指摘。失業して経済的困窮を深めたり、外出自粛で家族との関係が悪化したりするなどし、見知らぬ「誰か」を探しているという。

 そうした女性が狙われ、犯罪に巻き込まれるケースは絶えない。

 昨年6月には、ツイッターで知り合った10代の少女を連れ去って誘拐したとして、鹿児島県警に40代の男が逮捕される事件があった。男は家出願望につけこみ、少女を自宅に寝泊まりさせて売春をさせていたとされる。鹿児島地裁は今年1月、男に実刑判決を言い渡した。

 SNS上で知り合ったことをきっかけに重大な事件に発展するケースは、ほかにも各地で起きている。

 警察庁によると、SNSを通じて略取誘拐の被害に遭った18歳未満は昨年は86人に上り、5年間で4倍に増えた。強制性交等は34人、強制わいせつは17人。子どもが亡くなる事件に発展したケースもあった。

 こうした被害を未然に防止する取り組みはどうか。

 愛知県警は未成年の略取誘拐につながるおそれのあるツイートを見つけたら、返信する形で注意喚起している。昨年、泊まる場所を提供しようとするツイートに対し注意喚起したのは429件で、そのうち8割は削除されたという。

 BONDは、18年からネットパトロールを通じて「死にたい」「帰る場所がない」といった投稿をしている女性にアプローチしている。

 20年4月からの1年間で、ネットパトロールからLINEでの相談につながった人は1594人いた。面談に至った例は359件、保護された例は27件だった。橘さんは「困難を抱えた女性とつながり続けることが大事だ。それが被害を防ぐことになる」と話す。(田内康介)

女子中高生への支援を続ける「Colabo」代表の仁藤夢乃さんに、被害を防ぐためにどうすればよいかを聞きました。

支援者装う「泊め男」、申告されない被害多く

 子どもたちがSNSでの出会いを通じて犯罪に巻き込まれる例が多発している。

 現状はどうなっているのか。被害を防ぐためにどうすればよいのか。困難を抱える女子中高生たちへの支援を続ける一般社団法人「Colabo」代表の仁藤夢乃さんに聞いた。

     ◇

 ――コロナ禍でのColaboへの相談状況を教えてください。

 コロナ禍で貧困や孤立が進み、少女たちが置かれている状況は悪化しています。2020年度は前年度の2.5倍に当たる1500件の相談があり、21年度になっても状況は変わっていません。コロナ禍になって生活困窮や虐待が深刻化し、自宅などに居場所がない少女が増えています。

 例えば、これまでは学校やア…

この記事は有料会員記事です。残り893文字有料会員になると続きをお読みいただけます。