第2回殺処分の10倍「ロードキル」の現実 統計からは見えないネコの死
矢田文
1033、2215、629……。
調査で集まった41自治体の数字を足すと、合計は5万を超えた。全国規模に換算すれば、その数はおよそ29万匹。交通事故で命を落としたとみられるネコの数だ。
「本質的なことから解決していかなければ、不幸な動物は減らない」。獣医師の奥田順之さん(36)は伝えたかった。私たちが見ていないたくさんの死がまだあることを。
生き物が死ぬことは、時に悲しくつらい。それでも人は、様々な理由でいのちを奪い、助けることをあきらめる。「かわいそう」と断じるにはあまりある思いを抱えて。様々な生き物の最期に向き合った現場からの報告です。
「真実見えづらくなっていないでしょうか」
岐阜市内の田園の広がる住宅街。その一角にある一戸建ての玄関を開けると、「みゃあ」と小さな鳴き声が聞こえてきた。
部屋をのぞくと、ふわふわと…