95歳ミサオおばあちゃん、笹餅づくり「ひと休み」 年内には引退へ

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渡部耕平
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 「津軽のふるさとの味」として親しまれる笹餅(ささもち)を長年手づくりしてきた、青森県五所川原市の桑田ミサオさん(95)。この3月、体力の衰えを理由に笹餅づくりを一休みすることにした。5月まで中断し、6月からの再開を考えている。「静養して体調が良くなれば、少しずつ始めようと思っています」

 桑田さんは若いころ、金木町(今の五所川原市)で保育所の用務員として働いた。退職した60歳のとき、笹餅を含めた餅菓子づくりを始めた。母親から教わった作り方と、すでに持っていた調理師免許が役立ち、おいしいと好評になった。

 材料は餅粉、生こしあん、上白糖、塩、水、そして笹の葉だけ。上白糖以外は青森県産で、添加物は一切使わない。生地を混ぜるのも、丸めて笹の葉に包むのも、すべて手作業で行う。「生地に水が1滴多いだけでも、指先で分かりますよ」

 笹の葉は山に採りに行く。身長145センチの体が、やぶの中に隠れても構わない。「手間暇かけて、一生懸命やるだけです」とほほ笑む。

 ほのかな甘さと、なめらかな口当たりが評判になり、2002年に五所川原市のスーパーから出品を頼まれた。75歳で起業し、「ミサオおばあちゃんの笹餅」として全国に知られるようになった。

「体がもう限界のようです」 悔いは「なし」

 餅づくりは休日なし。販売の…

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