0.7ポイント差の政権交代 文政権への「ノー」、民意真っ二つに
ソウル=神谷毅
当落の判明が10日未明にずれ込んだ韓国の大統領選は、得票率の差が約0・7ポイントとわずかだった。1987年の民主化以降の大統領選では最も僅差(きんさ)の決着。有権者を二分した大接戦の背景を探ると、韓国社会の根底にある幾重もの対立と分断に行き着く。
中央選挙管理委員会によると、得票率は当選した保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(61)が48・56%で、進歩(革新)系与党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)前京畿道知事(57)が47・83%。KBSテレビなど韓国メディアが「当確」を報じたのは、10日午前3時を過ぎてからだった。
「韓国における、新旧の対立という対立が全て出た大統領選だった」
一時は「国民の力」の選対トップを務め、その後尹氏とたもとを分かった金鍾仁(キムジョンイン)氏(81)は読み解く。保革の政党を渡り歩いて大統領当選や政権維持を成功させ、政界の「キングメーカー」と呼ばれる。
かねての地域対立は今回も現…
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