次男って、本当にずるい 長尾卓磨、「中村屋酒店の兄弟」で兄になる

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石飛徳樹
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 「中村屋酒店の兄弟」で兄を演じる長尾卓磨。監督らと制作会社を立ち上げ、日本映画に美しい新風を入れようとしている。

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 細おもての下がり眉。印象的な顔立ちだ。本当にいろんな映画で目にする。「戦場のピアニスト」でアカデミー賞も取っている? いえ、それはエイドリアン・ブロディです。

 「中村屋酒店の兄弟」(白磯大知監督)では、地方都市で家業の酒屋を継いだ長男の弘文を黙々と演じている。早々に上京した活動的な次男の和馬には人気上昇中の藤原季節。ほぼこの2人で物語も黙々と進む。

 ある日、久しぶりに和馬が帰ってくる。弘文は独りで店を切り盛りしながら、認知症の老母の介護もしている。母は弘文のことは認識出来ないが、和馬の帰宅はたいそう喜ぶ。

 「僕自身は一人っ子ですが、次男という存在に憎しみを伴った憧れを感じていました(笑)」。周囲に好かれ、世渡り上手の和馬。不器用な弘文は自然と我慢を強いられる。

 和馬が突然戻ってきた時の出迎え方が秀逸だった。うれしいような、気まずいような……。何ともぎごちない距離感が、映画全体の繊細なトーンをも象徴していた。

 「僕に会った時の父親の反応を参考に演じました。自分がしゃべろうとしているのか、僕がしゃべるのを待っているのか。そのへんの呼吸がうまくつかめないんです。僕の父親の感じが出せれば、と」

 白磯監督からは「弟には過剰に優しくして下さい」という注文がついた。これまで和馬は、兄に家業を任せて東京で自由に生きてきたにもかかわらず、弘文に対してとんでもないことを言い出す。

 「僕なら怒っちゃいますよ…

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