競技で競う前に、まず大会に出られるのか、練習のスタートラインに立てるのかさえわからなかった。
北京パラリンピックに出場しているアルペンスキーの森井大輝(41)の前には、新型コロナが立ちはだかっていた。
コロナ下で発熱すると外出を控える必要がある。森井の平熱は37・3度ほど。障害の影響で高止まりしていた。
排尿時に使うカテーテルを通して細菌が侵入し、膀胱(ぼうこう)炎を慢性的に起こしているような状態になっていた。
大会に出るにも練習するにも、「何とか発熱を抑えないといけなかった」。
2006年のトリノ大会から4大会連続で銀メダルを獲得。41歳で迎えた今大会は悲願の金メダルに挑む舞台だ。
平熱を下げるために取り組ん…