ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、安倍晋三元首相や日本維新の会から、米国の核兵器を日本国内に配備して共同運用する「ニュークリア・シェアリング(核共有)」の議論を求める声が上がっている。では、当事者の米国は、日本との「核共有」をどう考えているのか。日米の安全保障問題の専門家であるジェームズ・ショフ元米国防総省東アジア政策上級顧問に聞いた。
James Schoff
1966年生まれ。オバマ政権下の2010~12年、米国防総省東アジア政策上級顧問。現在は米国笹川平和財団シニアディレクター。
――日本では安倍晋三元首相らから、米国との「核共有」議論について「タブー視してはならない」などと議論を促す声が上がっています。岸田首相は否定しましたが、米側はこうした議論をどう見ていますか。
「『中国や北朝鮮を抑止するために良いアイデアだ』という人はいるかも知れませんが、ワシントンにおいては極めて少数派にとどまるでしょう。とくに政権内には同調する人はそんなにいないでしょう」
「理由は三つあります。一つ…
- 【視点】
米国防総省の東アジア政策担当だったショフ氏のインタビューです。日本の核専門家はもとより、日米同盟強化を主張する米国の政策責任者や専門家でも、日本の「核共有」については、その戦略的効果を疑問視し、むしろリスクが高いと指摘しています。ウクライナ

ウクライナ情勢 最新ニュース
ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]