原発の汚染土、まだ決まらない行き先 首都圏の住宅街の空き地にも…

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福地慶太郎、滝口信之、関根慎一 笠井哲也
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 東京電力福島第一原発を囲むように広がる中間貯蔵施設の運用が始まって7年。帰還困難区域から出るものを除き、原発事故除染で出た汚染土の搬入は今月末までにほぼ終える見通しだ。福島県は施設の受け入れに際し、2045年までの県外搬出を法制化させたが、汚染土の行き先はいまだ決まらない。

 原発事故の後、福島県内の除染で出た汚染土と廃棄物は1700万立方メートルを超える。これだけの量を最終処分するのは現実的でないとして、国は放射性物質の濃度が比較的低い汚染土を「資源」として公共事業や農地に再利用したい考えだ。対象はその数値が1キロあたり8千ベクレル以下のもので、現時点で全体の4分の3にあたる。さらに自然減衰などで45年までには最大97%が再利用可能になると推計する。

 だが、現時点で再利用先のめどが立つのは、同県飯舘村で農地利用の実証事業に使う100万立方メートル弱だけだ。「港湾埋め立てのような大型公共事業に使えればいいが、今の時代ではニーズもない」(環境省幹部)のが現状だ。

震災から11年、汚染土の行き先はめどすら立っていません。再利用しようとすれば住民の反発が予想され、「受け入れてもよい」と答えた知事は0人。中間貯蔵施設がない自治体では「現場保管」され、汚染土は首都圏の住宅街にもあります。

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 住民らの理解を得るのも容易ではない。国は18年、同県南相馬市の高速道路拡幅工事で、汚染土を実証事業として使うことを計画した。だが、地元住民から「最終処分と同じだ」「農作物が風評被害を受ける」と反発が相次ぎ、昨年3月、断念を住民に伝えた。

 「一度運び出した汚染土をま…

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