ロシアによるウクライナへの攻撃が激しさを増す中、中国政府が仲裁に乗り出すかに注目が集まっています。対台湾政策を担う中国政府の歴代幹部や多くの中国人研究者らとも交流がある台湾屈指の中国研究者は、中国の消極対応をどう分析し、今後の行動をどう見ているのか。
かつて習近平(シーチンピン)・共産党総書記(国家主席)と台湾の馬英九(マーインチウ)・国民党主席(総統)による初会談のアレンジに関わり、同席もした趙春山・淡江大学名誉教授に聞きました。
――ロシアによる今回の侵攻を、中国はどう見ていると思いますか。
中国は、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)が東方に拡大してロシアを刺激したことが、危機の原因だと表明しています。
私は、中国がNATOの拡大によって、ベラルーシやカザフスタンなど東欧や中央アジアで新たな「カラー革命(2000年代に旧ソ連国で起きた民主化運動)」が起きることを心配しているのだと考えています。
中国はこれらの地域と、巨大…
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【解説】趙春山氏は台湾の代表的な研究者の一人(なお国民党系)です。インタビューで展開されている中国政府の解釈について多少中国政府に甘いところもありますが、それでも中国が「進退窮まっている状態」、「(中国は)受け身」とみています。そのうえで、趙氏が「