卵巣がんだった母から13年後に手紙 大人になってできること考えた
木下広大
昨年の秋、高松市の短大生、空田華実さん(20)のもとに一通の手紙が届いた。
「20歳になった華実ちゃんへ」。華実さんが7歳の時にがんで亡くなった母・福子さんからだった。
病気が見つかったのは、亡くなる5年前。母はおなかの痛みを訴え、病院に行き、それから数年間のうちに何度か手術をした。それでも持ち前の明るさは失わず、料理を教えてくれたり、一緒にお絵かきをしてくれたり。治らない病気ではないはず。華実さんはそう信じていた。
余命幾ばくもなかったことを知ったのは、亡くなった後のこと。卵巣がんのステージ4。手術で片方の卵巣を取り除いたものの、その後大腸に転移し、最期はほとんど何も食べられない状態だったという。
母の死後は父の実家で暮らした。華実さんは家族の前でほとんど涙は流すことはなかった。20歳を迎える直前、祖父母から手渡されたのが、この手紙だった。
「ついこの間、寝返りができたばっかりの華実が、20歳になっているなんて本当に楽しみでしょうがありません」
「どんな振り袖を着るのかな…
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