第3回ピザ屋で銃乱射、作り話を信じた男 あるはずの「悪魔の拠点」探した

有料会員記事Qアノン

ワシントン=藤原学思

前回のあらすじ

ハーバード大で芸術を学び、トランプ氏が「大嫌いだった」女性。彼女はある出来事をきっかけに「Q」の熱狂的な信者になります。彼女は語ります「私は覚醒しています」と。

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 ホワイトハウスを背に、車で20分、首都ワシントンをまっすぐ北にゆく。

 両側に木々が並ぶ片側2車線の「コネティカット通り」。ここは、しゃれたレストランやバーが並ぶことで知られる。

 ピザ屋「コメット・ピンポン」は、そんな場所にある。2月上旬の夜、私は同僚とともに店を訪ねた。平日だというのに、200席ほどの店は談笑する地元客であふれている。大型スクリーンには北京五輪の映像が流れ、奥では卓球を楽しむ男女がいた。

 ピン、ポン、ピン、ポン。球が弾む。会話も弾む。

 和やかな雰囲気に、まったくそぐわない事件が起きたのは、もう5年以上前になる。

車に積んだ多数の銃器 目指したのは「コメット・ピンポン」

 陰謀論集団「Qアノン」が形作られる前に、その「前身」として語られる陰謀論がある。「ピザゲート」と呼ばれる。

 ピザゲートは、衝撃的な事件に発展した。舞台は「コメット・ピンポン」。その事件は、陰謀論がいかに現実の世界に悪影響を及ぼすのか、それを表す。

 事件を起こした男の名はエドガー・マディソン・ウェルチ(33)。確定判決や裁判資料によると、ウェルチは2016年12月4日午前8時50分、トヨタ・プリウスに乗り、米ノースカロライナ州の自宅を出た。

 車には、殺傷能力の高い半自動ライフル銃「AR15」と29発の弾薬、6発フルに装弾されたリボルバー拳銃、さらには、12ゲージの散弾銃も積んでいた。

 ウェルチがめざしたのは、550キロ先にある首都ワシントンの「コメット・ピンポン」だった。

 自宅を出て約6時間後の午後…

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