中学横綱競った「中卒ホープ」 ライバル物語はプロ4年目を迎えた
松本龍三郎
かつて中学横綱を争った大辻(高田川部屋)と吉井(時津風部屋)はこの春、プロとして4年目を迎えた。全国中学校体育大会を制した吉井と、準優勝だった大辻。「中卒のホープ」として注目を集めた3年前、大阪の地で初土俵を踏んだ2人は今、幕下の土俵で奮闘している。
春場所初日を迎えた13日、西18枚目の大辻は大成龍との1番相撲に臨んだ。立ち合いから突き放されて完敗。「何がだめとかじゃないですね。全部だめだったので」。取組後の取材で悔しさをあらわにした。
地元・兵庫県加古川市が会場に近いことから、知り合いが応援にかけつけているという。「緊張で、体がふわふわしてしまった。周りからは『緊張しなさそう』って言われるんですけど、めちゃめちゃ緊張しいなので……」
この日はしこ名が会場内にアナウンスされると、他の力士より大きな拍手をもらった大辻。期待に応えるためにも、2番相撲以降での巻き返しを誓う。
西42枚目の吉井も、初日に1番相撲を迎えた。栃登に下手投げで転がされ、「今日は足が出ていなかった」と反省しきりだ。
初場所後に時津風部屋で新型コロナウイルス感染が広がり、自身も陽性に。10日間はまったく稽古ができなかったが、「だんだん今場所慣れていって、早く動きに対応できるようにしたい」と言う。(松本龍三郎)