独裁者の失脚パターン分析すると…プーチン氏は「一番厄介なタイプ」

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河崎優子
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 ロシア軍によるウクライナ侵攻が続いています。プーチン大統領は、国際社会の非難にもかかわらず、攻撃の手を緩めません。20年以上実権を握る彼の周りには、止められる人はいないようです。比較政治が専門の国学院大・藤嶋亮教授は「独裁者の中でも一番厄介なタイプ」と評します。歴史上の独裁国家の末路をひもとくと、いくつかのパターンが見えてきました。

 ――そもそも独裁国家とはどんな状態なのでしょうか。

 今日、広い意味では、民主主義でない国のことを表していて、権威主義と言うこともあります。ただ、一言で「独裁」といっても、様々なタイプがあります。

 ――例えばどんなタイプがあるのですか。

 まず、ミャンマーのように軍が政権を握っている「軍部支配型」です。選挙は行われず、市民は弾圧を受けます。冷戦の頃はこのタイプが多かったです。

 近年多いのが「支配政党型」。選挙を行っていて、形の上では民主主義。ただ、圧倒的優位な政党が国を支配していて、市民の自由度は低いです。

 この二つだと、曲がりなりにも「組織」が国を支配しているので、個人に制約がかかったり、リーダーがコロコロと交代したりします。しかし、「個人支配型」になると、独裁者への制約が働きにくくなってしまいます。プーチン氏のように個人支配の程度が強くなるのが、一番厄介なタイプです。

 ――なぜ厄介なのですか。

 指導者への崇拝が起きて、周…

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