岸田文雄・自民党総裁(首相)になって初の党大会が13日、開かれた。夏の参院選に向け、隙間風が吹いた公明党との関係修復を強調する一方、野党勢力に秋波を送り分断を図る。政権運営は「超安全運転」で進める方針で、与党内では新たな経済対策によるバラマキへの期待が膨らむ。
13日の党大会で決めた運動方針には、ここ近年、なかった文言が入った。「連合並びに友好的な労働組合との政策懇談を積極的に進める」。労働組合の中央組織「連合」の明記だ。1989年結成の連合は非自民勢力を支持してきたが、最近、自民との距離を縮めている。
「連合は政治団体じゃない。支持政党は単組別で決めてもらったらいかがですか」。麻生太郎副総裁は昨年12月、あいさつのため党本部を訪れた連合の芳野友子会長に投げかけた。芳野氏は「組合員に個別に聞くと自民党支持も多いかもしれませんが……」と応じた。翌月には、連合が開いた新年交歓会に岸田氏が首相として9年ぶりに出席。「与党にもご協力を賜りますようお願い申し上げる」とあいさつして、秋波を送っていた。
自民の狙いは、民間労組を中…
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- 【視点】
地方の首長選挙はあちこちで保守分裂騒動が起きていますが、国政選挙はさすがに政党本位。与党と野党の激突という構図が本来の形です。しかし、自民党としてはそこをなんとか崩して優位な土俵をつくりたい。どんなに個別の野党が弱くても「野党統一候補」が成