残業できず生まれた「暗黙ルール」 200万人が「もっと働きたい」

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 働く時間が希望より短く、「もっと働きたい」と考えている「追加就労希望就業者」が、国内で約200万人ほどいることが総務省の調査でわかった。雇用情勢の指標とされている「失業者数」は2021年末、約2年ぶりに200万人を切って194万人となったが、実はそれと同じくらい、十分に働けず、収入が足りないと感じている労働者がいることになる。

 東京都内の保育園で給食の調理をする30代の男性は昨夏、コンビニエンスストアで副業を始めた。

 給食調理は勤め先の会社が保育園から業務委託を受けているもので、手取りは月20万円弱。妻と娘の3人暮らしだが「金銭的に苦しく、貯金を崩しながら生活していた」という。

 残業する余地もなく、副業を認めていない会社には報告しないまま、近くのコンビニで夕方~夜に週4日ほど働くことを決めた。

「広義の失業者」

 「なんとかやりくりしていたが、本業の給料だけではやはり厳しかった。会社からは定時に仕事を上がるようにといわれていて、金銭的に厳しい境遇はみんな一緒。自分も他の同僚も『暗黙のルール』で副業をしていた」

 男性のように会社が残業を認めてくれなかったり、希望する回数のシフトに入れなかったりするなど勤務が「週35時間未満」と短く、さらに働くことを希望している人を、総務省は「追加就労希望就業者」と呼んでいる。

 雇用情勢を多角的に把握するため、同省が18年から新たな指標として公表を始めた。

 コロナ禍前の18年1~3月の追加就労希望就業者は177万人。その後徐々に増加し、感染拡大が本格化した20年1~3月期に初めて200万人を突破すると、同4~6月期には267万人にまで増えた。

 その後は減少傾向にあるものの、直近の21年10~12月期でも195万人。失業者数と合わせると計約400万人が仕事が無かったり、もっと働きたいと考えていたりすることになる。

追加就労のニーズを満たす働き方の一つが、雇用関係を結ばない「ギグワーク」や「単発バイト」。 これらは「スポットワーク」と呼ばれ新たな働き方の一つとして注目が集まっていますが、課題も山積み。 そんな新たな市場を健全に伸ばそうと業界数社が立ち上がりました。

 多様な働き方についての調査・研究をする「ツナグ働き方研究所」(東京)の平賀充記所長は、「追加就労を希望する労働者は『広義の失業者』とも呼ばれる。人材活用の面からも失業者と同じくらい伸びしろがあり、事業者とうまくマッチングさせることで、企業や国の生産性の向上につながるはず」と話す。

■コロナ禍で倍増したのは…

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