「2ステージ制の打ち切りは決めていた」5代目Jトップが明かす内幕

潮智史
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 第5代Jリーグチェアマンを8年務めた村井満氏(62)が15日に退任した。注目されたのが、就任3年目で2ステージ(S)制を取りやめたことだった。退任時の朝日新聞のインタビューで、「就任したときから、通年リーグに戻すつもりだった」と明かした。

 チェアマン就任は2014年1月。観客数が減少傾向にあり、サッカー界には危機感が募っていた。13年に、シーズンを前後期の2Sに分け、最後にチャンピオンシップ(CS)で優勝チームを決めることが決まっていた。シーズンの山場を増やして注目度と収益を増やす狙いだった。

 Jリーグの試算では、2S制を導入しないままなら収入が10億円減り、導入すれば、放映権料やスポンサー料で逆に10億円が増えるという数字が示されていた。

 13年に導入が決まったとき、村井氏は外部の非常勤理事として議論に参加していたが、当時から反対だった。「理事会で、CS導入に正当性があるなら降格も同様のやり方で複数チームが参加して決めるべきだと主張した」と振り返る。

 結局、15年から4年契約で導入が始まった。15年の第1Sで浦和の優勝が決まったノエビアスタジアム神戸で、村井さんは観客の大ブーイングを浴びている。

 「実は、就任するときから、2S制をいつ、どうやってやめるかを考えていた。ブーイングを聞きながら、心の中では『もっとブーイングしてくれ』と思っていた」

 決断は早かった。16年10月、2年の契約期間を残してわずか2シーズンで2S制は打ち切られた。潮智史

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    潮智史
    (朝日新聞スポーツ部記者=サッカーなど)
    2022年3月16日10時31分 投稿
    【視点】

     村井満・前チェアマンの就任時に期待されていたのは、減少傾向にあった観客を取り戻すこと、リーグ自体の経営立て直しでした。目の前の収益だけを追っていたら、この判断はできなかったと思います。経営や収入を追うことと、ファンやサポーターを大事にして

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