「核兵器の終わりか私たちの終わりか」 ウクライナ侵攻で警鐘

核といのちを考える

中島健
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 2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)で国際運営委員を務める川崎哲(あきら)さんが12日、大分市で講演した。ロシア軍によるウクライナ侵攻について、「核兵器の終わりか、私たちの終わりか、と訴えてきたことが残酷なまでに現実になっている」と危機感を訴え、「戦争をやめろと声を上げることは戦争を早く終わらせ、次の戦争を起こさない力になる」と語った。

 川崎さんは、核兵器廃絶運動への反論として、核保有国がバランスを取り合っているから大きな戦争は起きないという「核抑止論」がこれまで主張されてきたことを紹介。ウクライナ侵攻は、核保有国のロシアが、ウクライナが加盟を希望する北大西洋条約機構(NATO)側に米国などの核兵器があると分かって仕掛けた現実があると指摘し、「核保有国と核保有軍事同盟の間で、戦争になってしまうリスクがあることを理解する必要がある」と警鐘を鳴らした。

 また、安倍晋三元首相がテレビ番組で議論に言及した、日本の領域内に米国の核兵器を配備する「核共有論」については、「危険で無責任な議論」と批判。

 その上で、「相手が持つから持とうという議論は互いに核の脅しを高めるだけ」とし、代わりに、核禁条約を道筋として、核を持たないことで安全が保障される「非核地帯」を広げていく方法を提案した。

 講演は、石井久子弁護士や赤とんぼの会の宮崎優子共同代表らが開催を呼びかけた。川崎さんは学生らとも対談し、核廃絶や平和への思いを後世に伝える活動にアドバイスを送った。(中島健)

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